何か書いていたほうが、気が紛れるのでいろいろと書いていますが、このブログはあともう少し続きます。
平成に実施された都立高校の入試で、国語の漢字問題で「重複」があったものを見てみましょう。
〔H31、H11〕 朗らか(ほが)
〔H31、H17、H9〕 渓谷(けいこく)
〔H31、H12〕 漂(ただよ)う
〔H31、H5〕 テツボウ(鉄棒)
〔H31、H3〕 トドく(届く)
〔H30、H10〕 紛れる(まぎ)
〔H30、H16〕 惜敗(せきはい)
〔H30、H15〕 舞踊(ぶよう)
〔H30、H6〕 繕う(つくろ)
〔H30、H1〕 イキオい(勢)
〔H29、H22〕 リョケン(旅券)
〔H29、H20、H12〕 アビる(浴びる)
〔H29、H19〕 ゼンセン(善戦)
〔H29、H18〕 ザイゲン(財源)
〔H29、H5〕 隔てる(へだ)
〔H28、H21、H13〕 華麗(かれい)
〔H28、H20〕 憩い(いこ)
〔H28、H18、H8〕 栽培(さいばい)
〔H28、H18〕 フる(降る)
〔H28、H18〕 循環(じゅんかん)
〔H27、H20〕 車窓(しゃそう)/ シャソウ(車窓)
〔H27、H18〕 ナげる(投)
〔H26、H8〕 トむ(富)
〔H25、H13〕 陳列(ちんれつ)
〔H25、H4〕 弾む(はず)
〔H24、H14〕 カンゴ(看護)
〔H24、H13〕 バイバイ(売買)
〔H24、H2〕 アラう(洗)
〔H23、H20、H8、H2〕 潤い(うるお)
〔H23、H13〕 ジュクす(熟)
〔H23、H5〕 ウチュウ(宇宙)
〔H23、H2〕 ソウカン(創刊)
〔H22、H13〕 顧みる(かえり)
〔H22、H13〕 アタり(辺)
〔H22、H12〕 沸騰(ふっとう)
〔H22、H9〕 シタしい(親)
〔H22、H3〕 ユソウ(輸送)
〔H21、H14〕 掛ける(か)
〔H21、H14〕 ユメ(夢)
〔H21、H10〕 懇談(こんだん)
〔H21、H8〕 チュウヤ(昼夜)
〔H21、H5〕 ミチビく(導く)
〔H20、H5〕 シラべ(調) *H13 シラベる(調)
〔H19、H12〕 モえる(燃)
〔H19、H11、H4〕 コウカイ(航海)
〔H19、H11〕 ツげる(告)
〔H19、H6〕 湖沼(こしょう)
〔H16、H5〕 浸る(ひた)
最近の4年間は、慢性的に「再利用」や「再使用」が行われています。
市販されている「過去問集」は「7年分」の収録のものが多いので、それより少し遡って「素材」を見つけてくれば、「当年の受験生の目に触れていない問題」として流用できます。
数年ごとに「重複」が活発になったり、不活発になったりしています。
「担当者」の「特徴」があらわれているのでしょう。
もしくは、「方法論」が伝承されたりされなかったりしているのかもしれません。
近年は、「再出題」が多くなっています。
したがって、都立の過去の漢字の問題をなるべく多く解くことが、最も合理的な入試対策だったわけです。
しかし、まあ、たとえば、「平成15年」あたりの過去問とか「平成5年」あたりの過去問を所有している塾もあれば、所有していない塾もあります。
たまたま古い過去問を所有している塾にいて、それを解くように勧められた生徒は、少しばかり受験に有利だったでしょう。
相対的に、古い過去問を所有していない塾の生徒は、その機会を得られないという点で、不利になるといえるのかもしれません。
しかし、「そういった要素」もまた「受験の一部」なのです。
いいかたをかえるならば、「競争の一部」なのです。
「公平」という概念を正しく理解していない人はいろいろと言いたくなるのでしょうが、不満をまき散らしたり、恵まれている人を呪ったりする時間も労力も、ただただ無駄なだけです。
そんな不毛なことにとらわれている暇があったら、漢字のひとつでも練習したほうが有意義です。
「成果」を出すために、分析をしたり工夫をしたりすることは、合理的な行動であり、正当な努力です。
野球やサッカーなどのスポーツで、「データ」や「情報」を集めて相手チームを研究したり、対抗策を練ったりすることは、極めて普遍的な戦略です。
企業や政府機関、あらゆる組織、個人にも同じことがいえます。
知り合いの塾の方と、お互い持っている過去問や教材を融通しあったり、機会があればブックオフに寄って古い過去問集がないか探してみたり、いろいろしました。
(2、3年ほど前に、東京近辺のブックオフでかたっぱしから古い過去問を買い漁った人(達)がいるみたいで、今はブックオフで古い過去問を見かけなくなっていますが。)
世の中には、ちょっと古くなった過去問を、もう使わないから、と捨ててしまう塾もあるのかもしれません。ちょっともったいないと思います。
今は、デジタルデータで保存することもできます。
さて、今回の記事を書いたのは、ある「思惑」からです。
「正しい想像力」を有した人には、伝わると思っています。
ひとつは、「これからの受験生」へのメッセージです。
それから、「業界の人」へのメッセージ。
もうひとつは、都立高校入試に対する「一石」です。
「次の時代」は、どんな入試問題になるのでしょうか。
(ivy 松村)