三鷹、両国、白鷗、立川国際、南多摩、桜修館は、「適性検査Ⅰ」を独自作成しています。
ところが、興味深いことに、これらの中学の多くが「共通問題」の「影響」を受けつつあります。
「作文」の出題傾向に変化がみられます。
「共通問題」を作成するために、各中学校の先生が集まって、「意見交換」などが活発に行われるようになったことが、「独自問題」にも「効力」を及ばしているのだろうと思います。
特に顕著なのが桜修館です。
桜修館中学の「作文」は、従来、かなり自由度の高い出題でしたが、最近2年は、出題傾向が大きく変化しました。
桜修館27
次の詩を読んで、あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。
字数は、五百字以上、六百字以内とします。
桜修館28
次の資料を見て、あなたが考えたことを分かりやすく書きましょう。
字数は、五百字以上、六百字以内とします。
桜修館29
右の 文章 は日本の古い書物の中の一部分で、この文章は「名工(優れた工芸技術をもつ人)は少し切れ味の悪い小刀を使うという。奈良時代の名工の妙観の小刀はたいして切れない。」という意味です。
あなたはこの書物の著者は、この文章を通して、どのようなことを言いたかったのだと考えますか。また、あなたは「著者の言いたかったこと」について、どのように考えますか。
第一段落には、著者がどのようなことを言いたかったのかについて、あなたが考えたことを百字程度で分かりやすく書きましょう。
次に、段落をかえて、その「著者の言いたかったこと」について、あなたがどのように考えるのかを、いくつかの段落に分けて、分かりやすく書きましょう。
なお、全体の字数は五百字以上、六百字以内とします。
桜修館30
右の文章は江戸時代のある学者が、自分のもとで学ぶ若者もののために示したいくつかの文章の一部分です。
文章A は「水を飲んで愉快に思う人がいる。また、豪華かで美しい着物を着てなげき悲しむ人がいる。」という意味です。 文章B は「出る月を待つのがよい。散る桜を追ってはいけない。」という意味です。
この学者は、この文章を通して、どのようなことを言いたかったのだとあなたは考えますか。
解答らん①に「Aは……。」、段落をかえて「Bは……。」という構成で、全体で百六十字以上、二百字以内で分かりやすく書きましょう。
また、この二つの文章に共通する物事のとらえ方・考え方はどのようなものだとあなたは考えますか。そして、その物事のとらえ方・考え方について、あなたはどのようなことを考えましたか。あなたの考えを、解答らん②にいくつかの段落に分けて、四百字以上、五百字以内で分かりやすく書きましょう。
両国中も、出題傾向が変化してきた中学です。
両国は、以前から2つの課題文が出される問題の「形式」を採用しています。これは、「共通問題」と類似しています。
相違点は、問題数が多く、各文章に関する設問が2題ずつあり、「作文」を含めて5題の出題になることです。
28年度までは、「パターン」で処理できるような出題でした。
しかし、29年度は、「作文」に組み込む「要素」を細かく指示しています。
そして、30年度では、第一段落に2つの文章の要点をまとめるように指示しています。
両国27
〔問題5〕
文章1と 文章2を読んで、あなたの人生を幸福にするためには、どのようなことをしていきたいと考えましたか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。
条 件
1.「記憶の自己」・「好奇心」というそれぞれの言葉が、本文で示している内容にふれること。
2.あなたがこれまでにやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。
両国28
〔問題5〕
文章1と 文章2はどちらも「ものの見方」について書かれています。これらの文章を読んで、あなたは今後どのような「ものの見方」をしていきたいですか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。
条 件
1.二つの文章に書かれている「ものの見方」について、それぞれの筆者の考えをまとめること。
2.あなたがこれまでにやってきたことと、これからやりたいことをそれぞれ具体例として挙げること。
両国29
〔問題5〕
いまの日本はたくさんの「馬車」があふれている とありますが、あなたは「いまの日本」にはどのような「馬車」があると考えますか。また、あなたが考えたその「馬車」の問題を課題発見的に解決するためにはどうすればいいと考えますか。筆者が述べている「課題解決」や「課題発見」ということばの意味をふまえて、あなたの考えを三百五十字以上四百字以内で答えなさい。
両国30
〔問題4〕
文章1 文章2 は、どちらも「成長」をテーマに、筆者の体験や意見が書かれています。二つの文章を読んで、あなたは自らを「成長」させるためには何が大切だと考えましたか。次の二つの条件を満たしながら、三百五十字以上、四百字以内で書きなさい。
条件1 第一段落には、 文章1文章2の要点をまとめること。
条件2 第二段落からは、あなたの経験をふまえた考えを書くこと。
(ivy 松村)