春期講習の2日目を終えて、今年の「色」が見えてきました。
全体的にペースを少し落としています。
今年の生徒は、次々と単元をこなしていくよりも、じっくりと飲み込んだほうが伸びるように思います。
今日の授業から、講習の構成を少し調整しました。
授業を受けている生徒のみなさんは、何のことやら、と思うでしょうが、こちらも、いろいろと考えて授業をしているのですね。
昨日が初日だった生徒もいました。
もちろん、急激にやる気がみなぎってきて、いきなり学習意欲がスパークしてくれれば、それが一番いいとは思いますが、まずは、勉強と向き合う春休みにしましょう。
授業の合間にも話しましたが、今のタイミングで受験勉強を始めるのなら、この塾がベストに近いです。気持ちに整理がついたときには、言ってください。
春期講習は、ペースはゆっくりですが、時間当たりの勉強量は多くなっています。
演習量が増えていますし、復習や見直しに時間をかけているからです。
もちろん、1日の授業時間も増えていますし、通塾日数も普段よりも多くなっています。
講習が終わった時には、必ず、基礎的な力がアップしているはずです。
中2の国語では、「動詞」の語幹と活用語尾について説明しました。
語幹と活用語尾を瞬時に見分ける方法を伝えました。
「ない」を接続したときに、「ない」の直前に置かれる一文字までが活用語尾になり、その上の「残り」が語幹になるのでしたね。
読む→よ「ま」ない・・・「ま」→「む」が活用語尾、残りの「よ」が語幹
行く→活用語尾「く」(語幹「い」)
困る→活用語尾「る」(語幹「こま」)
味わう→活用語尾「う」(語幹「あじわ」)
・基本的には、漢字で表したときに「送り仮名」になっている部分が活用語尾になる
調べる→しら「べ」ない・・・「べ」→「べる」が活用語尾、残りの「しら」が語幹
降りる→活用語尾「りる」(語幹「お」)
試みる→活用語尾「みる」(語幹「こころ」)
曲げる→活用語尾「げる」(語幹「ま」)
・語幹のない動詞は、活用語尾に漢字をあてる
似る→に「ない」・・・「に」→「にる」が活用語尾、「残り」がないので「語幹なし」
着る→活用語尾「きる」(語幹なし)
来る→活用語尾「くる」(語幹なし)
得る→活用語尾「える」(語幹なし)
する→活用語尾「する」(語幹なし)
・他の言葉との関係によって、送り仮名を調整することもある
起こす→活用語尾「す」
なぜ送り仮名が「起(おこ)す」とならないのか
送り仮名を「起(おこ)す」としてしまうと、「起きる」という言葉に漢字を当てることができなくなってしまう
ですから:
「起(お)-こす」→活用語尾「す」(語幹「おこ」)
「起(お)-きる」→活用語尾「きる」(語幹「お」)
となるのでしたね。
同様に:
「落とす」→活用語尾「す」 (語幹「おと」)
「落ちる」→活用語尾「ちる」 (語幹「お」)
「集まる」→活用語尾「る」 (語幹「あつま」)
「集める」→活用語尾「める」 (語幹「あつ」)
このようなペアの動詞の関係(自動詞/他動詞)については、また今度説明します。
現在の送り仮名のルールが定められたのは第二次世界大戦後なので、それ以前の古い文章を読むと、送り仮名が違っていることもあります。
小学生の頃、上一段活用動詞や下一段活用動詞の送り仮名を不自然に感じた人も多かったのではないかと思います。
また、イレギュラーな送り仮名にとまどった人もいたはずです。
私もそうでした。
小学生に、「活用」の全体を説明するのは大変なことなので、ほとんどの小学生には、この送り仮名はこうだ、と理屈抜きで覚えてもらうことになります。
網のように、それぞれの要素が関連し合って「全体の知識」を構成しているようなことがらは、まずその構成要素を知っておかないと、説明を受け入れることができません。
先に「理屈」を伝えることができないのです。
まず、必要な要素を身につけてもらう必要があるのです。
漢字を勉強しはじめる前の小学生に、まず、送り仮名のルールの全体像を説明しようとしても、ちんぷんかんぷんです。
ですから、小学生のうちは、とにかく「決められた通り」に覚えなさいと言われるのですね。
そうして、苦労して集められた知識の成り立ちや意味を、今回の授業のように、後になって知らされることがあります。
私は、今日の授業で説明したことを、その昔に知ったときに、とても「面白い」と感じました。もやもやしていたものがクリアになって、すっきりしました。
みなさんはどうだったのでしょう?
ところで、以前、私は「勉強は面白い」とブログに書いたことがありますが、私が考える勉強の「面白さ」とは、このような知的好奇心にもとづいたものです。
英語でいうと「interesting」です。
「interesting」を感じるためには、「暗記」のような、知性の積み重ねが必要です。
ですから、「面白い」と「がんばれ」が同居しているのです。
一方、「楽しい」の延長にある「面白い」は「funny」です。
まあ実際には、私もアホなことを言ったり雑談などをしたりして「funny」なときもありますが、当然、大事にしているのは「interesting」のほうです。
これらは大きく違う概念なのに、日本語では同じく「面白い」といいます。
ブログのなかで、自分が使い分けていなかったことに気づきました。
使い方に気を付けないといけませんでしたね。
ivyの春期講習は、まだお申込みを受け付けております。
数日のみ、授業体験にお越しいただくことも可能です。
ぜひ、お気軽にお問合せください。
(ivy 松村)