都立高校入試が終わりました。
これで、本年度のすべての入試が終了しました。
(これから入試本番をむかえる人は、がんばってください!)
あとは、発表を待つばかりです。
落ち着かない日々を過ごすことになるのでしょうが、それも受験の一部分であり、また、人生の一部です。いろいろと考えて、自分に合ったやりかたで、当日までを過ごしてください。
中1、中2の生徒たちは、学年末テストが近づいています。
明日も、教室を開放しますので、「家では勉強がはかどらない」という人は、ぜひ、テスト勉強にきてください。
また、ローマ字、英語に苦戦している新中1の生徒で、「しっかり復習したい」という人も歓迎しますので、ぜひ、来てください。
さて、都立高校入試について、思ったことなどを書きたいと思います。
両国の男子と大泉の女子の「受験倍率」が、「1」を切ってしまいました。
かなり微妙な状況ですね。
そして、入試問題です。
やはり、東京都教育委員会の意向が大きく働き、「解答形式」を単純化しようという意図が強く出ています。
近年、都立高校入試の大きな「テーマ」となってしまった「採点ミス撲滅」のために、「記述」を抑え、記号で答える形式の「問」(←「もん」と読むらしいです)を増やす傾向が強化されました。
社会では、「記述」が2題となりました。また、語句筆記問題が削減されました。
英語のリスニング問題で、筆記で答える問題が1題のみとなりました。また、英単語を書き込んで答える問題もなくなりました。
数学でも、選択問題が増えました。
理科は、図やグラフに「線」を記入する問題と、「記述」が1題だけです。
国語は、昨年と同様に「記述」は出題されませんでした。
つまり、なるべく「文字」を書かせないような試験問題になっているわけです。
これは、結構いろいろな功罪をはらむことになりそうです。
一点、指摘するならば、自校作以外の都立高校を目指す生徒の「受験勉強の質」が変化することになるでしょう。
もう一点。いずれ、国語の「作文」の「採点基準」が、「議論の的」になるかもしれません。
しかし、「作問側」もそれに気づかないはずはないので、近いうちに「作文」を「なんとかする」ように処置するのかもしれません。
(「作文」があったほうがいいのか、ないほうがいいのか、というのはちょっと「難しい」です。)
本年度のグループ作成校の「独自問題」の出題状況を調べました。
(他の学校と違う問題を使用していても、それが「自校作成」なのか、それとも、1校だけが「共通問題」を使用している状況なのかわからない場合があるので、「別問題」という表記にしました。)
新宿、墨田川、国分寺の単位制高校のグループ作成は、数学は大問1が、学校ごとに「別問題」でした。
英語は、墨田川の大問2、新宿の大問4が「別問題」となっています。
また、国語では、新宿高校が漢字の「読み」と「書き」を1問ずつ「別問題」にしていました。
進学指導重点校を見てみましょう。
まずは国語です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |||||||
日比谷 | 共通 | 共通 | A | 別問題 | A | ||||||
戸山 | 共通 | 共通 | A | 別問題 | B | ||||||
青山 | 共通 | 共通 | B | A | B | ||||||
西 | 共通 | 共通 | B | 別問題 | A | ||||||
八王子東 | 共通 | 共通 | A | A | A | ||||||
立川 | 共通 | 共通 | A | A | A | ||||||
国立 | 共通 | 共通 | B | 別問題 | A | ||||||
国語は、大問4の「説明的文章」を差替える高校がありました。
日比谷、戸山、西、国立の「問題」がその他の高校と違っています。
今の時点では分からないのですが、もしかすると、国立は、「独自問題」ではなく、「もうひとつの共通問題」を使用しているのかもしれません。
次に英語です。
1 | 2 | 3 | |||||||||
日比谷 | 共通 | A | 別問題 | ||||||||
戸山 | 共通 | B | 別問題 | ||||||||
青山 | 共通 | A | 別問題 | ||||||||
西 | 共通 | 別問題 | A | ||||||||
八王子東 | 共通 | A | A | ||||||||
立川 | 共通 | B | 別問題 | ||||||||
国立 | 共通 | A | 別問題 |
大問3は、5校が「別問題」となっていますが、立川(あるいは青山)は、「もうひとつの共通問題」かもしれません。
気になるトピックとしては、西高でリスニングに「トラブル」があり、男子の受験者全員に一律20点が加点されることになったそうです。
最後に、数学です。
1(1) | 1(2) | 1(3) | 1(4) | 1(5) | 2 | 3 | 4 | ||||
日比谷 | A | A | A | A | A | A | A | 別問題 | |||
戸山 | A | A | B | A | B | B | A | 別問題 | |||
青山 | A | A | A | A | A | A | B | 別問題 | |||
西 | A | A | 別問題? | 別問題? | B | A | A | 別問題 | |||
八王子東 | B | 別問題 | 別問題 | A | B | B | B | 別問題 | |||
立川 | B | B | A | A | B | A | B | 別問題 | |||
国立 | A | B | B | A | A | B | A | 別問題 |
大問4は、全ての高校が「別問題」となっていました。
しかしその中で、もしかすると八王子東の問題は、「共通問題」として作成されたものかもしれません。
個人的な見解ですが、「独自問題」に積極的な高校であるかどうかと、「倍率」の「差」には、「何かつながり」があるのではないかと思っています。
受験生が「それ」に着目するという話ではありません。
「すこしでも精度の高い選抜を行いたい」という、その高校の「意志」が、「それ」に反映されるのではないかと思います。そして、トップ校を目指す受験生は、結局「その意志」に、感応するのではないか、と思うわけです。
この数日、このブログでは、立地などの「外部的要因」によって「倍率」が上下するというメカニズムについて考えてきました。
しかし、一方で「倍率」は、やはり「内部的要因」に強く規定されます。
日比谷高校は、「この状況下」で「守り」に入りません。
「採点ミスが起きたら、責任を取る気はあるのだろうね」ぐらいのことは、軽く言われているはずです。
でも、屈しない。
「ビリビリ」きますね。
(ivy 松村)