「関連づけ」を行いながら暗記をする例を紹介します。
例えば、歴史の年号を覚えるとき:
「いくさ苦しい第二次世界大戦」「い(1)く(9)さ(3)く(9)るしい」というようなゴロ合わせで覚えると、「3項目」覚えることになります。
1919年 ベルサイユ条約
1929年 世界恐慌
1939年 第二次世界大戦
10年ごとに並べ、流れをつかみます。
「ベルサイユ条約によってはじまった軍縮への動きが、世界恐慌によって崩れ、その10年後に次の大戦を迎える」
これらを孤立した個々の出来事として覚えるよりも、つながりのある事柄としてとらえたほうがより覚えやすく、また、連想によって「アウトプット」しやすくなるはずです。
例えば、英単語を覚えるとき:
survival”は「鯖威張る」(魚のサバが生き残ったことを自慢している)などと覚えるのは、あまり質の高い勉強ではありませんね。
・survival(存続、生き残ること)は動詞のsurviveの名詞形
・surviveは sur(上に=above)+ vive(生きる=live)という語源(ラテン語)
・「他にまさって生きる」…「生き残る」→「切り抜ける」
・reviveは re(再び=again)+ vive(生きる)→「生き返らせる」「回復する(させる)」
・revival(回復、再生)→「リバイバル」(昔の流行の復活)
・viv =live,vit =life
・vital(生命の、活気のある)、vitality(活力、体力、生命力)
・vivid(いきいきとした→鮮明な)
・sur =above
・surface〔発音注意〕は sur(上)+ face(顔)→「顔の上」…表面
「関連づけ」を行うことでことで知識の網目を広げ、 記憶が定着しやすくなります。また、訳語や意味を引き出しやすくなるはずです。
「関連づけ」は、覚えるべき対象に論理的な意味を与えるということです。少し大げさにいえば、それは創造的な行為であるといえるでしょう。
単なる文字、単なる発音を、内実をともなった概念として捉え直す取り組みです。
そうした取り組みは、覚えなければならない事柄をより強く自分に印象付け、暗記の手助けになります。しかし実は、さらに重要なのは、それが暗記の能力を拡張することにつながるのだということです。
暗記力は、定められた才能などではありません。工夫と努力によって伸ばしていくことができるものなのです。
(ivy 松村)