小池さん率いる希望の党の「雲行き」が怪しくなってきました。
4つの「想定外」の事態が重なり、小池さんの「計算」を大きく狂わせています。
1つは、前原さんの「立ち振る舞い」です。
おそらく、小池さんは、当初から、希望の党に「ふさわしいといえる立候補者」を受け入れる旨を伝えていたはずです。
しかし、前原さんが、民進党の衆議院選挙の立候補予定者「全員」で希望の党への「合流」を目指そうとしたために、「全員を受け入れることはしない」ということを何度も強調してアナウンスするはめになってしまいました。
その際に使われた「選別」「排除」といった「刺激的な言葉」は、世間に非情で冷然とした印象を与えました。
2つ目は、若狭さん、細野さんをはじめとする「陣営」の人材が、小池さんの期待にそう「パフォーマンス」を示すことができなかったことです。
若狭さんは、党勢の急激な拡大を受け止めきれなかったのか、「テンション」のコントロールを欠き、軽率な発言が目立ちました。
細野さんは、自らの存在感を高めようという意図から、スタンドプレー的な発言が目立ちました。
小池さんは、テレビキャスター出身なので、どのような言葉が「テレビ映え」するのか、また、デリケートな質問に対してはどのように受け答えをするべきなのか、を熟知しているわけですが、それはどうしても「個人頼みの能力」であるわけです。
結局、小池さん自身が何度か「火消し」を行う必要がありました。
そのため、希望の党の「方針」の説明が二転三転し、組織としての未熟さが浮き彫りになってしまいました。
本来「都知事」という立場である小池さんは、できる限り国政選挙に関与しないという「体裁」を崩したくなかったにちがいありません。
小池さんが最も恐れていたのは、「都政」を疎かにしている、という印象を世間に与えてしまうことでした。
さらに、直接メディアに「説明」をする機会にを設けたことで、しきりに記者やキャスターから衆院選への出馬について質問を受けることになりました。
小池さんは、「出馬するかどうか」について、念入りに「情勢」を見極めてから判断したいと思っていたはずです。しかし、メディアの前で再三にわたって否定を続けたために、その「選択肢」は使えないカードになってしまいました。
3つ目は、メディアの「注目」が旧民進党候補の「現実」に移ってしまったことです。
小池さんの「目論見」では、メディアの報道は、希望の党の「躍進」を後押ししてくれるはずだったのだと思います。
ところが、世間の関心は、旧民進党候補が「公認」を求めて右往左往するさまや、また、別の民進党候補が集まり、身を寄せ合って新党を立ち上げたりするさまに集まりました。
報道の「中心」が、「希望の党に翻弄される旧民進党員」になってしまったわけです。
そのため、希望の党は「公認申請者にどのような義務を課したのか」、また、「公認申請者は何を甘受したのか」、といったことが、せきららに伝えられることになりました。
一連の報道は、希望の党の清廉なイメージを、大きく損ないました。
4つ目は、都民ファーストの会の古参都議の離党問題です。
「このタイミング」での離党劇は、非常に大きな「インパクト」になりました。
離党した2人の都議会議員は、小池さんの姿勢が、独断専行、密室主義、統制的だったと非難しています。
ちょっと厳しくなってきた印象です。
おそらく小池さんは、自分は「短期決戦」の選挙に強いという自信を持っていたと思います。
それで、今回の急転直下の解散総選挙に、「勝機」を見出そうとしたのだと思いますが、やはり、国政選挙は険しい戦いですね。
(ivy 松村)